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細胞の動的な状態に合わせて細胞を採取する

Time-Dependent Cell State Selection(TDCSS)

なぜこの技術が生まれたのか

同じように見える細胞でも、反応のタイミングや機能の出し方は一つひとつ異なります。
TDCSSは、このような一過性かつ意味のある細胞状態をとらえ、“その瞬間からの時間”を基準に選別する技術です。


技術概要

  • TDCSS(Time-Dependent Cell-State Selection)は、ライブセルイメージングによって細胞の“変化の瞬間”をリアルタイムに捉え、そのタイミングで特定の細胞だけを選び出す技術です。
    細胞は静止しているわけではなく、日々わずかに揺れ動きながら、ある一瞬に決定的な変化を迎えます。TDCSSはその“一瞬”を見極め、変化を開始した細胞を逃さず選別し、変化の本質に迫ることを可能にします。
  • たとえば私たちは、サイトカインの分泌を始めたばかりの細胞をリアルタイムで検出し、TDCSSによりその場で回収しました。その後、一細胞RNA解析(scRNA-seq)を実施したところ、「分泌開始の瞬間」にだけ一過性に発現する遺伝子群を見出しました。これは従来見過ごされてきた細胞応答の初期イベントに、新たな理解をもたらす成果となりました(→関連論文)。

応用例

  • 分泌開始直後の免疫細胞の選別
  • アレルギー応答細胞の時間プロファイリング
  • がん治療細胞の機能特性スクリーニング
  • 形態変化した瞬間の細胞の選別
  • 運動性が変化した瞬間の細胞の選別

関連論文・リンク

  • TDCSSは現・東京大学 白崎 善隆 准教授主導のもと開発された方法論です。
     TDCSS論文
  • その他、関連文献はこちらから。
     論文・公表

知的財産について

TDCSS技術は、以下の特許に基づいており、株式会社ライブセルダイアグノシスが独占的実施許諾を取得しています:

  • 発明の名称: 経時変化の情報を基に細胞を回収する方法およびシステム
  • 登録番号:特許第6781914号
  • 特許権者: 国立大学法人東京大学
  • 国際公開番号: WO-A1-2017/126615

技術実装:Live Cell Scouter(開発中)

TDCSSを現場で活用できるようにしたのが、Live Cell Scouterです。
タイムラプス画像から状態変化を検出し、選別座標を出力します。

👉 Live Cell Scouter 製品ページはこちら